ごく初期から一緒に活動しているトモミさん(写真中央)は、今は4人の子の母親。
子育てに格闘しながらも決してギニアビサウのことを忘れない、大切な仲間の1人です。
今回はトモミさんからの手紙をご紹介します。
ギニアビサウへは日本から直行便はありません。往復する途中で必ずヨーロッパの国々を経由していくことになります。
ポルトガル、イギリス、フランスやベルギー。それぞれとても素敵で、ギニアビサウに行ってなかったらなかなか訪れる機会もなかっただろう―と、ずいぶん得した気分になります。
ただ、長くギニアビサウで生活してすっかり現地に馴染んでしまってから帰国の途につくと、途中で立ち寄るヨーロッパとのあまりの落差に、カルチャーショック気味になります。
ヨーロッパの人たちはほとんどが白人で鼻もツンとしていて何だかちょっぴり緊張します。ギニアビサウの暖かい人々に慣れていると、何となく冷たくも感じます。使い捨ての物を 見ては、今で言う「もったいないばあさん」の気持ちになります。
日本からギニアビサウへ3度目に渡航した時のこと。私と看護士のイセちゃんの2人で、ポルトガルからギニアビサウに到着しました。
入国カードを書いて入管に並びます。
「いよいよ着いたね」「ヨーロッパと大違いだね」などと話しながら立って並んでいると、イセちゃんが「背中が重いんだけど・・」。
見ると、後ろに並んでいるギニアビサウ人が、イセちゃんが背負っているリュックサックを テーブル代わりにして、入国カードを書いているではありませんか!
その様子が本当に自然で、ごく当たり前のように人の背中を借りてカードに書きこんで いるのです。私たちはこみ上げてくる笑いが抑えられませんでした。
2人で口をそろえて「ギニアビサウに帰ってきたんだ~!」と言ってしまいました。
この国には個人主義という言葉は存在しません。いや、存在はするのですが、あまり深い意味を持たないといったほうがいいのかもしれません。
両親が亡くなってしまった子どもがいたとしたら、当たり前のように親戚や近所の人がその子を引き取っていきます。
お隣りの国セネガルは、発展はしているけれど、街には物乞いをする大人と子どもがあふれています。孤児も多い。
それに比べてギニアビサウには、経済的には貧しいのだけれど、物乞いをする人も孤児もほとんどいません。
そんなところが、ギニアビサウの魅力の1つであり、個人主義が徹底しているヨーロッパ から来ると、どこかほっとする理由なのかもしれませんね。
時にそれを、迷惑に感じることもあるのですが。
【下】へ続く
NPO法人 エスペランサ
ギニアビサウ共和国支援の会
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